みなさん、品川区で富士登山ができる場所があるのをご存じですか?
もちろん、本物の富士山ではありません。それは品川神社の境内にある品川富士と呼ばれる富士塚です。
今回は、800年以上の歴史を持ち、開運をもたらすスポットとしても知られる品川神社を訪れました。
53段の石段を登って品川神社へ

品川神社の最寄り駅、京急本線新馬場駅です。

新馬場駅を出ると、第一京浜の向かい側に品川神社が見えています。
駅からすぐ近くというアクセスのよさも魅力のひとつです。

第一京浜に面した品川神社です。狛犬に見守られながら鳥居をくぐります。

鳥居をくぐり、境内へと続く53段の石段を上ります。毎年6月に開催される品川神社の例大祭では、この石段をお神輿がのぼりおりするそうです!

石段を上がり、さらに2つの鳥居をくぐると社殿があります。

社殿前にある石造鳥居・石造水舟(水盤)は慶安元年(1648年)、三代将軍徳川家光公の側近、堀田正盛公によって奉納されたものです。
都内では上野東照宮に次いで2番目に古い鳥居です。

品川神社の社殿です。太平洋戦争中の戦火を免れたものの、老朽化のため昭和39年(1964年)に再建されました。
さらに令和2年(2020年)には、天皇陛下の即位に伴う儀式、御大典の記念事業として社殿の修復がおこなわれています。
長い年月を経てもなお、地域の人々によって大切に守り続けられていることが伝わってきます。
品川富士に登ってみよう

53段の石段の中腹にある富士塚登山道入口です。
品川神社を訪れたら、ぜひ体験してほしいのが品川富士と呼ばれる富士塚への登山です。
この富士塚に登ることで、本物の富士山に登ったのと同じご利益が得られるといわれています。

富士塚の八合目です。本物の富士山と同じように合目ごとに標識が立てられています。
急な石段はプチ登山気分が味わえますよ。

富士塚の山頂からの眺めです。第一京浜や京急線の電車を見下ろしながら気分は爽快!
とても眺めがよく、周囲に高い建物がなかった昔は、ここから富士山までよく見えたそうです。

山頂から狭くて急な登山道を見下ろします。
私の足元が写っていますが、なかなかのスリルです。

山頂から浅間神社側へ下ります。手すりにつかまりながら、慎重に下山しました。

富士塚の中腹、浅間神社前には「ぶじかえる」の石像があります。
かえるは、古くから交通安全、家内安全などの象徴とされる縁起物です。

浅間神社側の富士塚登山道入口です。

登山道の中腹に鎮座する浅間神社です。
53段の石段を上がった左側にあり、富士山の神様である木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀っています。
品川区指定有形民俗文化財にも指定されている富士塚は、明治2年(1869年)から5年(1872年)にかけて築造。北品川宿の丸嘉講社(まるかこうしゃ)によって建てられました。
丸嘉講社は、江戸時代から続く富士山信仰の講社のひとつです。
講社とは、同じ信仰を持つ人たちが集まってつくられた集団のことです。
現在も品川丸嘉講社が活動を続けており、毎年7月1日に近い土曜日または日曜日に品川神社富士塚山開きがおこなわれています。
この山開きの神事は品川区指定無形民俗文化財にも指定されています。
銭洗いと開運を願う「一粒萬倍の泉」

品川神社には、富士塚のほか、阿那稲荷神社(あないなりじんじゃ)の一粒萬倍の泉での銭洗いという見どころがあります。社殿の右手にある朱色の鳥居が連なる先にあるのが、阿那稲荷神社です。
阿那稲荷神社は、上社と下社にわかれており、上社には天の恵みの霊を、下社には地の恵みの霊と御神水が祀られています。

写真左が阿那稲荷神社の上社です。右手に連なる朱色の鳥居は、下社につながっています。

阿那稲荷神社の下社です。社殿の中には金運・商売繁盛のご利益がある霊泉、一粒萬倍の泉が湧いています。
一粒の籾(もみ)が何倍もの稲穂になるという言葉にちなんで名づけられました。
この泉で家門・家業の繁栄を願って印鑑やお金に御神水を注ぐとよいと伝えられています。

一粒萬倍の泉から湧き出た御神水です。

私も願いを込めて、一粒萬倍の泉で500円玉を銭洗いしました。
社殿の案内板によると、銭洗いしたお金の一部は、門前・北品川の商家(品川神社周辺の地元商店街)で使うのが吉と記されています。
東京十社、東海七福神巡りの一社

品川神社は、東京十社のひとつでもあります。
明治元年(1868年)、明治天皇が東京の鎮護と人々の安寧を祈るため、准勅祭神社(じゅんちょくさいじんしゃ)を定めました。品川神社もそのひとつです。
さらに昭和50年(1975年)に昭和天皇の即位50年を記念して、関係する都内の十社を巡る東京十社めぐりが企画されました。

また、品川神社は東海七福神の一社でもあり、大黒天が祀られています。
東海七福神は昭和7年(1932年)、品川が東京市へ編入されたことを記念して定められました。
品川神社のほか、旧東海道沿いにある寺社を訪れて七福神めぐりを楽しむのもよいですね!

東海七福神めぐりは、しながわ百景にも選定されています。
武将たちと歩んだ歴史

品川神社の創建は、今から800年以上も前の文治3年(1187年)にさかのぼります。
源頼朝が安房の国(現在の千葉県)の洲崎神社から、航海安全の神様である天比理乃咩命(あめのひりのめのみこと)を勧請(かんじょう)したことがはじまりと伝えられています。
その後、慶長5年(1600年)には関ヶ原の戦いへ出陣する徳川家康が品川神社に立ち寄り、戦勝を祈願しました。
関ヶ原の戦いで勝利を収めた家康は、その御礼として天下一嘗の面と葵神輿を奉納し、以来、徳川将軍家から手厚い庇護を受けます。
これらの奉納品は品川神社の境内にある宝物殿で展示されており、見学も可能です。
宝物殿は正月期間、6月の例大祭期間中のほか、11月の土日祝日に開館します。
それ以外の日に見学する場合は、事前予約が必要です。
神社行事のため、予約ができない日もあります。お出かけ前に必ず品川神社へお問い合わせください。
見どころ満載の品川神社

これまでは車で第一京浜を走りながら鳥居を横目に通り過ぎるだけだった品川神社。
今回ゆっくり歩いて感じたのは、富士塚への登山や阿那稲荷神社での銭洗い、東京十社めぐり、東海七福神めぐりなど、ひとつの神社でこれほど多くの魅力が詰まっているということでした。
中でも私が印象に残ったのは富士塚への登山です。急な石段を登り、山頂からの景色を眺めていると、いつもの見慣れた街並みも印象が変わって見えるから不思議です。
ふだん、あまり神社を訪れる機会のない方も、ゆっくり歩いてみると思いがけない発見があるかもしれません。
次の休日は品川神社を訪れて、品川区にいながら楽しめる富士登山を体験してみてはいかがでしょうか。
品川神社
住所:東京都品川区北品川3-7-15
アクセス:京急本線「新馬場駅」から徒歩約1分
TEL:03-3474-5575
営業時間:09:00-17:00(社務所受付時間)
定休日:なし
駐車場:あり


















