ちょっと空き時間があって勉強したい、読書をしたい、何か見て回ろうかなという時に、皆さんはどんなところに行かれるでしょうか?
カフェや本屋さんもいいけど、もう少し時間にゆとりのあるところで過ごしたいというときにピッタリの施設が「エコルとごし」です。品川区立の公共の施設なので、入場が無料というのも魅力です。
戸越公園に隣接し、都内とは思えない緑あふれる環境
エコルとごしは、東急大井町線戸越公園駅・下神明駅より徒歩約7分、都営浅草線戸越駅より徒歩約12分、東急池上線戸越銀座駅より徒歩約15分のところにあります。
地元の人には、戸越公園の隣にあると言ったほうが分かりやすいかもしれません。
戸越公園は、日本庭園として非常に景色のいい場所です。まさにその日本庭園に溶け込むようにエコルとごしがあります。
このエリア一帯が緑豊かになるよう、建物の前に大きな街路樹が並んでいたり、周りの建物にも生垣があったりなど、自然と共生する景観ができあがっています。
社会科見学が盛んなので、一般見学できるか事前チェックを
エコルとごしの正式名称は「品川区立環境学習交流施設」です。
名前の通り環境学習ができる場所で、ワークショップのような交流イベントにも盛んに使われています。
インターネットでカレンダーを見ると、社会科見学の予約が結構入っているのが分かります。そのため、開館はしているけれど、個人で見学ができない時間帯もあります。
来館する際、個人で見学が可能な時間帯かどうかを確認してから行かれることをお勧めします。
エコルとごしの館内には、先進的な環境への取り組みがたくさん!
受付スタッフが、ぜひ注目ポイントとして見てくださいと言っていたのが、杉の産地の記載です。
エコルとごしの館内にはたくさんの木造の柱や壁があるのですが、それぞれの材料は品川区と交流があって連携をしている自治体から納められたものだそうです。都内なら多摩、さらに高知県、福井県といったように、さまざまな産地の杉が使われているのです。
どこの産地の木材が使われているかに注目をして、館内を回ってみてください。
エコルとごしのシンボルとも言えるのが壁面緑化。裏から見るとその仕組みが分かります。
壁面に吊るされている植物はプランターに植えられていて、プランターの中に水が巡回する仕組みになっています。だから、いつも植物が生き生きしているのです。
太陽光パネルと蓄電池が屋上全面に設置されているほか、換気窓、照明の省エネ、熱を通しにくいガラスなど、さまざまな技術が取り入れられており、この建物自体も区の内外から注目される環境性能を持っています。
エコルとごしは3階建ての施設。3階まで吹き抜けの階段1本で上ることができます。
移動はエスカレーターで、階段は非常階段というビルも多く見かける中、エコルとごしは電力を使わない階段での移動が主役。
片側は全面窓になっているので、階段スペースはとても明るく、気持ちよく歩けるようになっています。
1階は開放的なラウンジスペース
1階にはコミュニティーラウンジとキッズスペースがあります。
エントランスにはウォーターサーバーが設置されており、マイボトルを持参すれば冷たいミネラルウォーターを無料で飲むことができます。
ラウンジでは図書館の本が読めるようになっています。環境に関する蔵書が多いのが特長です。
貸出手続きをしなくてもその場で読むことができるので、ここで読書をしてくつろぎたいという方にお勧めです。
NHKの朝ドラ「らんまん」で有名になった牧野富太郎先生の本が置いてありました。
ラウンジの使用時間に制限はないので、時間があれば1冊読み終えるつもりで利用してみてください。
こちらはキッズスペース。ベビーカー置き場もあり、保育園が終わってから子どもをちょっと遊ばせるというふうな親子連れの方も来館していました。
地域の展示も充実しています。例えば、地元で人気の戸越銀座商店街への行き方も描かれています。
まだ品川に引っ越してきたばかりの方は、この「戸越みどころマップ」を見ながらエコルとごしを起点としていろいろなスポットに行ってみてください。
2階は団体向けのフロア
2階には地域交流室やボランティア室があります。このフロアは予約された方向けのコーナーとなっています。
一般来場者は入れないので、上の階に移動しましょう。
3階の映像展示室は、人気ドラマのロケでおなじみ!
3階は展示コーナーが立ち並ぶフロア。こちらは映像展示室です。
時間帯別に上映されるコンテンツがいろいろありますが、この中で一番よく放映されているのが「いきものタッチ」だそうです。
展示室内の様子です。この展示は、TBS日曜劇場「下剋上球児」の東京編のロケ地になったので、覚えている方も多いのではないでしょうか?
親子で遊ぶだけでなく、大人が来場しても癒しを得られるスポットになっています。
壁と同期をして床の映像も動くようになっているので、下を見ながら歩いても楽しめます。
画面を触りながら歩くと色々な仕掛けが登場します。
例えば、葉っぱにとまっているテントウムシにタッチすると飛び回ってくれます。
かわいいピンクの鹿さんにタッチすると振り向いてくれました。
公共施設なのにテーマパーク並みに楽しめるので、テレビのロケに登場するのも納得です!
ローカルな環境活動に目を向ける常設展示
次は、常設展示コーナーに進みましょう。
展示のテーマは「私たちの未来はどっち?」というもので、考えながら見て歩く内容になっています。
エントランスには「1秒でできること」というテーマの展示があります。
ここでまずは「1秒間伸びをしてみよう」という呼びかけがあります。
ストレッチをしているこの1秒間に、私たちはどうやって地球に貢献することができるのでしょうか。そのアイディアがいろいろと展示されているところです。
この1秒間何もしないでいると、世界で25mプール309杯分の淡水が消費されてしまうそうです。
大切な水を守るためにどんなことができるのか、という問いかけがありました。
例えばトイレの電気便座の設定温度を低くすると、どうなるでしょうか?
生々しく費用の節約について書かれていましたが、ユニークなところは、品川区民みんなで取り組むとどれだけのCO2削減が見込まれるかについても解説されていました。
入浴後、お風呂のふたを閉めるとどうなるでしょうか?
ここにも費用の節約と、品川区民みんなで取り組んだ場合のCO2削減効果が表示されていました。
子どもでも簡単に実践できそうなアイデアが満載の展示でした。
ここは「地球温暖化カレンダー」のコーナー。
日本は季節の移り変わりが特徴の国ですが、今後地球温暖化が進むと四季が消えてしまうかもしれない。地球がもっと温暖化したらどうなってしまうのでしょうかというシミュレーションをした問いかけが展開されています。
夏の風物詩になっている、盆踊りなどの品川のお祭り。水辺の入道雲。商店街に並ぶ旬の野菜。
地域の暮らしに密着した、エコルとごしならではのパネル展示になっています。
ここは、お子さんが喜びそうな楽しいコーナー。
フードマイレージという、輸入した食品が私たちの食卓に届くまでにどれだけの輸送距離を辿っているかを算出してくれる機械です。
今、ざるうどんをスキャンしようとしているところです。
ざるうどんには小麦粉が使われているので小麦のフードマイレージが出ました。
アメリカから輸入されたとすると、輸送距離が10920kmと表示されました。
輸入食品に頼っていると、食料自給率という問題もありますが、燃料も多く消費してしまうという解説がありました。
調味料を水洗いしてそのまま流してしまったら、魚がすめる水質にするためにはどれだけの水量がかかってしまうのでしょうか?
調味料を排水溝に流してしまった場合の影響について解説されているコーナーです。
体験をしてみると、マヨネーズが意外と水量が多くてびっくりしました。
次は、シャンプーやコンディショナーの問題です。
ここでは、界面活性剤が取り上げられており、使いすぎた場合の環境への影響はもちろん、人体の健康への影響についても解説されていました。
ほかにもたくさんの展示があり、見終わったらアンケートにマグネットで答えるようになっていました。
すでにたくさんの回答が貼ってあって、来場者の意識の高さが表れていました。
みんなの声が展示になった「100年後の未来」
ここは、見学に来た来場者の皆さんのメッセージを展示しているところです。
みんなが思い描く100年後はどんな未来になっているのか、お互いに考える展示になっています。
エントランスには、持続可能な未来のために「環境」という言葉を考えてみましょうというメッセージがありました。
それから、この環境問題は他人ごとではなく自分ごとだという問いかけがありました。
このメッセージを読んで、回答を書いてみましょう。
戸越公園が一面に見渡せて、座っているだけでも緑に囲まれて居心地のいい場所ですが、見学の記念にひとこと書いてみるといいのではないでしょうか?
展示でもラウンジでも、リピートして訪れたい場所
エコルとごしは、緑に囲まれた、近隣の人たちにとっての憩いの場所。放課後に子どもたちが自然に集まってくるような場所です。
親子連れや小中学生が楽しく環境を学ぶ場所でもあり、受験生や資格学習中の人にとってはラウンジが勉強場所、そして読書好きの人にとっては身近にある環境の専門図書館という顔も持つ施設です。
吹き抜けの開放的な雰囲気で、いつ来ても非常に居心地よく過ごせます。荷物を置きっぱなしにするのは禁止ですが、席が混雑していない限りは時間制限など言われることはありません。お時間のある限り、エコな1日を過ごしてください!
エコルとごし
住所:東京都品川区豊町2-1-30
アクセス:東急大井町線「戸越公園駅」「下神明駅」より徒歩約7分、都営浅草線「戸越駅」より徒歩約12分、東急池上線「戸越銀座駅」より徒歩約15分
電話:03-6451-3411
営業時間:7:00~21:30(貸室のご利用は9:00~)
※3F 映像展示・常設展示/1Fキッズスペース・・・9:00~18:00
※お電話での問い合わせ/窓口での貸室受付・・・9:00~20:00
休館日:毎月第4月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休)/年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場:なし