蒲田で本格アートに出会う!五感で楽しむ「山口体験美術館」

260730143031233

蒲田でアート鑑賞、と聞いてピンとくる人は、まだ少ないかもしれません。

にぎやかな商店街や飲食店のイメージが強い、大田区の蒲田。そんな街に、ピカソやバンクシーの作品と出会える美術館があると知ったら、少しおどろきませんか?

「山口体験美術館」は2025年10月に開館しました。名前のとおり、見るだけでなく体験もできる、少し変わった美術館です。

五感をフル活用して楽しんできました!

蒲田の材木試験場がアートの場に

JRの蒲田駅から静かな住宅街を歩くこと約18分。「本当にこの先に美術館があるのかな?」と、少し不安になったころ、目の前に突然個性的な建物があらわれました。

カラフルなモアイ像や芝生、手書きの看板が印象的です。入口には岡本太郎のアート作品が展示されています。ワクワクした気持ちを抑えられず、さっそく中に入りました。

建物は天井が高く、ひんやりとした空気が流れています。何気なく天井を見上げると、なぜかクレーンやレールが。

なんと、この建物はもともとは材木の材料試験場だったそうです。その骨組みをいかしてリノベーションし、アートの空間へ生まれ変わりました。

過去と今が、静かに溶けあっている。なんとも心地のよい空間です。

ピカソや岡本太郎・草間彌生まで多様なコレクション

さて、いよいよ作品とご対面です。

まず目に飛びこんできたのは、ピカソの陶器でした。あの巨匠が、器までつくっていたとは、びっくり!

第二次世界大戦後、南フランスにバカンスに出かけたピカソは陶芸に出会い、その後数百点もの作品を制作したんだそうです。ピカソらしい動物の絵などがダイナミックに描かれています。

次にあらわれたのが、岡本太郎デザインの椅子。実際に座って、その座り心地の悪さを体感することで、椅子に必要な要素を感じられる作品です。

コレクションは多彩です。草間彌生やバンクシーなどの現代アートから藤田嗣治や竹久夢二など近代絵画の巨匠の作品までそろっています。

「え!こんな作品まであるの?」と角を曲がるたびに、ワクワクが止まりません!

有名なアーティストの作品を、こんなに近くでゆっくりと観られる。それだけで、ぜいたくな時間でした。

人間国宝の人形は所蔵数日本一

この美術館でぜひ観てほしいのが、人間国宝がつくった人形のコレクションです。

なんと、その所蔵数は日本一!

人形の着物のリアルなしわや、まつ毛が落とす影がとっても美しい。一体、また一体と、足が止まります。

人間国宝・平田郷陽が手がけた子どもの人形は、ぷっくりとしたほっぺが愛らしいです。触らなくても、ぷにぷにとした子どものほっぺの感覚や、楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

五感で楽しむ!絵付けや人間国宝の茶器での抹茶体験も

山口体験美術館では、その名のとおりさまざまな体験ができます。

まずは、絵付け体験。まっ白な小皿に、好きな色をのせていきます。

とはいえ、絵心がない私は、スマホをみながら岡本太郎の作品風のイラストを描いてみました。久しぶりのお絵描き、思ったより楽しい!

続いて、抹茶の体験です。

なんと、人間国宝がつくった茶器で、抹茶をいただけます。「落として割ってしまったらどうしよう……。」と不安になりながら手に取ります。ずしりとした茶器の重みを感じながら、香り高いお抹茶をいただきました。

学芸員さんも、茶器をはこぶときには緊張するそうです。

最後に、19世紀のオルゴールの音色。ハンドルを手で回すと、やわらかな音が、空間をそっと満たします。

さらにおどろくのは、これらの体験がすべて入場料に含まれていることです。大田区民は1,000円、大田区以外は1,400円という、うれしい価格設定です。

美術館を運営する一般財団法人山口文化財団は、芸術の振興に取り組んでいます。アーティストの支援や、国際公募展「アートオリンピア」の開催もそのひとつ。手ごろな料金や体験型の展示の背景には、より多くの人にアートを感じてほしいという思いがあります。

カフェでゆっくり感想会もできる

たっぷり楽しんだあとは、併設のカフェでゆっくりできます。おいしいコーヒーをのみながら、一緒に来た人と感想を語りあうのも楽しそうです。

カフェのみの利用や焼き菓子の購入もできます!

山口体験美術館は、五感のすべてで楽しめる場所でした。正直、蒲田の住宅街でここまでのアート体験ができるとは思っていませんでした!

体験型の美術館なので、小さなお子さんと一緒でもきっと楽しめるはずです。週末のおでかけに、ぜひ足を運んでみてください。

山口体験美術館
住所:東京都大田区中央8-28-12
アクセス:JR京浜東北線「蒲田駅」から徒歩約18分
京急本線「大森町駅」から徒歩約18分
TEL:03-6410-2415
営業時間:
【2026年9月30日まで】
9:30-17:00(最終入館16:30)
【2026年10月1日以降】
10:00-18:00(最終入館17:30)
定休日:火曜(祝日の場合は開館、翌日に休館)
駐車場:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。