自転車が半額以下で買える場所!品川区「ふれあいサイクルマーケット」

品川区に引っ越してきた人にとって、移動手段の確保は大きな関心事の一つでしょう。
実は品川区内は端から端まで自転車で行けるぐらいのコンパクトな街です。
今まで自転車に乗っていなかった人も、品川に来たら自転車を手に入れてみませんか?
今回は、自転車が欲しいと思っている人のために、大手メーカーの自転車を半額以下で手に入れられる方法をご紹介します!

地元の社会福祉協議会による「ふれあいサイクルマーケット」

品川区では、保管期限が切れた放置自転車が、サビやキズなどを磨いて整備されリサイクル自転車として販売されています。
区から自転車を譲り受けて事業を行っているのが、社会福祉法人品川区社会福祉協議会「ふれあい作業所西品川」です。
リサイクル自転車の販売会が、「ふれあいサイクルマーケット」。毎月1回、火曜日に開催されています。現在は、「かよう市」も毎月1回、火曜日に開催されています。
「ふれあいサイクルマーケット」の会場は、品川区立中小企業センター1階ロビーです。

「ふれあいサイクルマーケット」会場は品川区立中小企業センター

品川区立中小企業センターは品川区役所から徒歩約2分のところにあります。
JR京浜東北線、りんかい線(大井町駅)、東急大井町線(下神明駅)の3路線が使えますが、中小企業センターの最寄りとしては下神明駅が一番便利です。
区役所と中小企業センターの間にはしながわ中央公園があり、よい目印になっています。

しながわ中央公園には、散歩やジョギングができるグラウンドや噴水もあって、区民の憩いの場となっています。公園を通り抜けて、中小企業センターに向かいましょう。

品川中央公園内にはサッカー場も用意されています。

中小企業センター横公園には広々とした芝生が広がっており、自由にスポーツを楽しむことができます。

ボルダリング教室の案内もありました。

品川区立中小企業センターの建物には、消費者センターや品川介護福祉専門学校の校舎も入っています。
そのため中小企業に勤務する人以外にも、一般市民も出入りが多い施設となっています。

「ふれあいサイクルマーケット」に出品される自転車をチェック

ふれあいサイクルマーケットへの参加方法についてご紹介します。
開始は13時からですが、定刻から販売についての説明が始まりますので、早めに集合するのがお勧めです。
今回は6台の自転車が出品されていました。いつも平均して5台から6台ぐらいの出品があるそうです。
出品された自転車1台1台について、タイヤやサイズやハンドルの形状・高さ、タイヤなどの部品の交換有無について説明があります。
購入が決定するまで試乗はできませんので、この説明を聞いておくことはとても重要です。
質疑応答時間もあり、お子さんのために買いに来ていた方は、対応身長について質問していました。

毎回一番人気だというのが「リターンズプラス」というオリジナルブランドの自転車です。
リターンズプラスはこれまで廃棄処分にしていたフレーム、フロントフォークを再塗装した自転車です。
前後のタイヤチューブは新品に交換。自転車にとって重要な回転部分は分解し、グリスアップされています。
1つ1つの部品を完全に解体して新たな自転車に再生するので、1台の自転車ができあがるまでに約2週間かかっているそうです。

自転車は抽選販売。当たるまで2~3回参加する人も

一通りの自転車の紹介が終わると、抽選が始まります。
番号1番から順番に、欲しい人が挙手で名乗り出て木製のくじを引きます。当たった人が購入権を得られ、その場で申し込み手続きをするという流れです。
ちなみに1番に外れた人は、2番3番と後の番号の自転車に申し込めるという仕組みなので、1番から順番に抽選に参加していくのが良いようです。
この日は6台の自転車に対して約20名の人が集まっていました。
人気のあるリターンズプラスには、ほぼ全ての人が手をあげるので激戦でした。
後の自転車は、サイズやデザインによって3人から5人ぐらいの希望者が集まり抽選をするという流れでした。

私も何台かの自転車の抽選を希望し、見事第一希望の自転車に決定!
職員さんによると、一度で当たることは珍しく、多くの人が3、4回通ってやっと自転車を引き当てるそうです。どの自転車が当たるかわからない中、第一希望に決まったのは本当に運が良かったと思いました。
自転車が当選すると、やっと自分の自転車を触らせてもらえます。
私が当たった自転車はギア付きだったので、ギアの切り替えについて詳しく説明してもらいました。これまではシェアサイクルを利用していたことを話すと、電動アシスト自転車と一般車の漕ぎ方の違いを説明していただけました。
サドルの位置もその場で調整していただくことができました。

試乗が済んだら、いよいよ購入手続きです。区の施設で買えて本当に良かったと思ったのはその場で防犯登録を済ませられたことです。
以前の自転車を盗難で失った私としては、防犯登録が切実に必要だと思っていました。その場で防犯登録も済ませられて本当に安心しました。

購入申し込みの際には改めてタイヤやブレーキを何度も動かして入念に確認し、チェックリストに記入を行います。その際、整備の証明書も見せてもらえるので安心して購入できました。
お支払いは現金のみとなっていました。当選したけれど、普段はキャッシュレスで過ごしているということで慌ててATMに走って行く人もいました。自転車の値段は7,200円~13,600円なので、当選した時のために現金を用意しておくのがおすすめです。

非営利だからこそ得られる、新車を超える乗り心地と安心の「車検」

私が当選した自転車は丸石自転車が発売したシティサイクルです。
この自転車の新品を検索すると3万7,000円ほどの値段がついていました。そのため、半額どころか3分の1くらいの値段で買えたということになります。
6段階のギアチェンジと、明るさに応じて点灯する自動ライトが特徴です。メタル製のかごも十分な容量があります。フレームは綺麗に磨き上げられており目立った傷もないので、中古品というダメージはほとんど感じられません。
何より、ギアを切り替えるときの滑らかさが気に入っています。

ふれあいサイクルマーケットに行く前は、中古自転車は消耗品の部品を変えずにほぼそのまま売り物にしているというネット上の噂を鵜呑みにしていました。
しかし、購入前の説明や購入時の試乗の際に教えてもらった内容から、本当にプロの手で再生されたものだ、技術がしっかりしているということがわかりました。
ワイヤーやチェーンは修理されており、必要な場合はタイヤが交換されています。量産品ではなく、その1台をはじめから調整し直すと、新車よりも乗り心地がよくなることもあるそうです。
自動車には義務付けられている「車検」が、自転車にはありません。それを、付加価値として十分に点検し、証明書まで見せてくれるというのは、採算を度外視した事業だからこそできることだと思いました。
自転車整備に携わっているのは「自転車技士」や「自転車安全整備士」の資格を持った整備士さんだということです。障害をお持ちの方が参加していることは知っていましたが、それ以上に、乗る人の安全にこだわってこの事業に取り組んでくださっていることが分かり、この事業をもっと応援したくなりました。

なぜ自転車が欲しくなるのか?品川区の自転車事情をチェック

品川区内は自転車があると非常に便利です。例えば品川インターシティ(品川駅は港区です)から大井町までは自転車で約11分で行けます。
品川区内の品川、大崎、大井、荏原、八潮の5つの地区は自転車で行き来が可能で、大型スーパーなど一定規模以上の集客施設には駐輪場を設置するよう定めた条例があるくらいです。
道路にも自転車専用通行帯が設けられていて走りやすいです。

自分の自転車がなくてもシェアサイクルが充実しており、区内のあちこちで借りて返すことはできます。しかし、借りに行ったら自転車が1台もないとか、返したいポートが満車で、かなり遠回りしなければならないこともあります。
シェアサイクルだけでは不便をすることも多いため、自分の自転車を持っておくのをおすすめします。

片道40分のサイクリングも、変速ギアで坂道が楽々だった!

自転車購入から1週間は保証期間として、もし不良があれば修理してもらえるとのことだったので、早速まとまった距離を走ってみました。
自転車で40分かかる六本木ヒルズまで行ってみましたが、途中の急な坂もギアチェンジすることで乗り切ることができました。
最初はギアを軽めにしておくといいとお勧めされましたが、走っていくうちに2番目に重いギアでも乗りこなすことができ、最初から快適に走ることができています。
もうすでにショッピングや役所などへの用事に大活躍しています。これからも、この自転車を再生してくれた整備士さんの仕事ぶりを想像しながら大切に乗っていきたいと思います。

ふれあいサイクルマーケット、ここがおススメ

ふれあいサイクルマーケットは、品川区立中小企業センター1階ロビーで開催されるリサイクル自転車の販売会です。
大手メーカーの自転車が半額以下で買えること、十分に点検・整備され、必要に応じて部品が交換されていること、1週間の保証が付いていること、その場で防犯登録をしてもらえることなどがメリットです。
一方、抽選販売なので参加しても必ずしも買えるわけではないこと、第一希望の自転車が買えるとは限らないこと、購入前に試乗ができないなどのデメリットもあります。
品川区内の移動は、小回りがきく自転車が便利。このイベントを自転車を手に入れる一つの手段として、ぜひ活用してみてください。

ふれあいサイクルマーケット(品川区立中小企業センター)
住所:東京都品川区西品川1-28-3
アクセス:東急大井町線「下神明駅」より徒歩約2分、JR京浜東北線、りんかい線「大井町駅」より徒歩約10分
電話:リサイクル自転車のお問合せはふれあい作業所西品川へ 03-3787-5750
営業時間:月曜日~金曜日 午前9時~午後5時(祝日・年末年始を除く)。ふれあいサイクルマーケットの実施予定は要問い合わせ
定休日:土日・祝日・年末年始
駐車場:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。