茶沢通りを歩いていると、買い物客が集まる歴史ある建物を発見しました。何屋さんだろうと気になり店内をのぞくと、味噌の良い香りが。すると店員さんが立ち上がり、「のんびりみて行って。」と、あたたかく声をかけてくれました。今回は、1922年創業の味噌専門店、坂本商店(太子堂営業所)さんをご紹介します。
業歴100年を超える味噌専門店
坂本商店(太子堂営業所)さんは、業歴約100年を誇る味噌の専門店です。五反田本店を中心に、太子堂営業所、中野営業所、大森営業所と都内に4つ店舗をかまえているそうです。
少し前までは、自社で味噌の製造もおこなっていたそうですが、現在は全国各地から仕入れて店舗で販売する形がメインで、一部飲食店向けに卸しているそうです。ネットショップ(直営、楽天市場)でも購入可能です。
また、太子堂営業所だけでも、平成25年にテレビ朝日系「旅サラダ」、平成27年にフジテレビ系「めざましテレビ」、平成30年にテレビ東京系「出没!アド街ック天国」など数々のメディアにも取りあげられており、歴史や味噌の専門性が評価されているのです。店内にも、三船美佳さんや加山雄三さんの直筆サインが飾られていました。また、Facebook、インスタグラム、ブログ、Xなど自社運用のSNSにも力をいれられています。
お客さん対応がひと段落したタイミングで、少しお話を伺うことに。対応してくださった店員さんは、坂本商店の社長の息子さんでした。社長がお昼休憩の間を担当しているそうです。とても感じよく接してくださり、お客さんとの会話も大切にされている印象でした。
太子堂営業所は、約70年前から構えているそうで、店前の看板を指さしながら、現在はほぼ味噌の扱いに特化した事業になっていると教えてくださいました。一番の売れ筋を伺うと、”特選信州白こし”と”特選信州白麹”だそうで、甘口のものが人気とのことでした。
売れ筋は信州産の甘口味噌
せっかくなので、私も味噌を購入してみることに。500gをお願いすると、3種までミックスして購入できるとのことだったので、店員さんのおすすめをいただくことにしました。色が濃い順(辛口順番)に、”特選信州白こし”、”特醸天然みそ(山形)”、”本場仙台赤こし(仙台)”をチョイスしてくれました。思っていたよりもずっしりとしており、一人では簡単に使いきれない量です。お値段も、340円/500g~とお手頃であり、家族でお味噌汁や鍋などをたのしむ冬の季節にはもってこいですね。
味噌の保存は冷凍がベスト
実際に食べ比べてみると、店員さんが話していたように色がこげ茶色に近づくにつれてかなり辛口(しょっぱい)になっており、塩分をおさえたいという点で甘口を購入する人が多いのかもしれません。野菜やおにぎりにつけてもおいしそうです。
また、味噌の保存方法について伺うと、味噌が変色してしまうことが一番味を損ねるそうで、普通の冷蔵よりも冷凍することがベストとのことです。味噌は凍らないため、すぐに必要な分を使用することができるそうです。そのことに驚いたため、自宅で調べましたが、味噌は水分のほかに、塩分や糖分などの成分をたくさん含んでいるために、一般の家庭用の冷凍庫(-5℃~-15℃くらい)では凍らない、ということでした。摂氏0℃で凍る水とは違うということがわかり、自分自身今回をきっかけに1つ勉強になりました。
今回は、業歴100年を超える味噌の専門店、坂本商店(太子堂営業所)さんをご紹介しました。来るお正月や普段のお料理まで、こだわった味噌を使って作ってみるのはいかがでしょうか。
坂本商店 太子堂営業所
住所:東京都世田谷区太子堂3-15-5
交通:東急田園都市線「三軒茶屋駅」北口Aから徒歩約6分
TEL:03-3413-2361
営業時間:13:00~18:45
定休日:日曜日、祝祭日