2024年4月リニューアル!区立施設なのに最新テーマパークのような「品川歴史館」

夏休み!作文や自由研究のテーマ選びが、気になる時期になってきました。
大人の皆さんも「秋から何か新しい習い事を始めようかな」と、カルチャースクールなどの広告も気になる時期かもしれません。

品川区にお住まいなら、区の施設で地域の歴史を学んでみるのはいかがでしょうか。
そこで今回は、品川区立の品川歴史館を紹介したいと思います。

駅から遠くても、東急バスとコミュニティバスの2路線使えて安心!

品川歴史館は、JR大井町駅から徒歩約15分、京浜急行線立会川駅から徒歩約13分のところにあります。
途中に坂道もあったりするので、お天気が悪い時や猛暑の中を歩くのは、少し大変かもしれません。

地元の人は自転車で行くことが多いのですが、バスを使う方法もあります。

JR大森駅からは、東急バス「鹿島神社前」のバス停で下車すると、徒歩約1分で着くことができます。

JR西大井駅からは、コミュニティバスの「しなバス」が運行。

大森駅北口行のバスに乗り、品川歴史館北のバス停で下車しても、徒歩約1分で着くことができます。

コミュニティバスで品川歴史館まで行くのが、一番近くて便利だと思います。

開館時間は、午前9時から午後5時まで。土日や祝日も開館しているので、家族でお出かけするにも都合がいいと思います。

品川歴史館のオススメポイントは、何といっても観覧料の安さ。一般の方は100円、小中学生は50円です。
しかも品川区立・区内在住の小・中学生や70歳以上の方などは、観覧料が無料になります。

さらに品川歴史館では、子どもから大人まで対象とした、地域の歴史に親しむためのさまざまな講座が開催。
受講時間の前後には、有料展示室以外の場所に入って、見学することができます。

歴史的な「大森貝塚」に近いロケーション

さて、品川歴史館がなぜ駅から遠い場所にあるかというと、敷地が広いからという理由だけではありません。
品川歴史館から徒歩約5分の場所に、大森貝塚という歴史的に大変貴重な場所があるからです。

貝塚とは、縄文時代の人が生活していた跡で、縄文人が食べたといわれる貝殻があつく堆積した場所です。大森貝塚では、なんと明治10年から発掘調査が行われたそうです。
これは日本初の学術的発掘であり、大森貝塚は「日本考古学発祥の地」と呼ばれています。

このように大森貝塚と関連が深い品川歴史館なので、エントランスをはじめ、館内の装飾には、貝をモチーフにしたものが多く使われていました。

2024年4月にリニューアルされた新しい展示室をチェック!

品川歴史館は開館40周年を迎えるに当たり、2024年4月にリニューアルオープンしました。
新しくなった品川歴史館を見ていきましょう。

1階には常設展示室や特別展示室があります。

リニューアルの目玉として新しく設置されたのが、常設展示室の2階まで吹き抜けで大きく伸びている大型スクリーンです。

ここでは「品川歴史絵巻」というテーマで映像作品が上映されており、約20分に1回のサイクルで上映作品が入れ替わっています。

壁沿いには、「ライブウォール」という展示があり、資料が時代ごとに見やすく整理されています。

常設展示室の中央には、「ライブステージ」と呼ばれるタッチパネルやセンサーを用いた解説もあります。

リニューアルによって新しい機材がふんだんに取り入れられ、商業施設にあるテーマパークと同じぐらい、触れて体感して楽しめるという印象でした。

地域の歴史が見て、ふれて学べる品川歴史館2階

2階には「しながわナビ」というコーナーがあり、より地域に密着した展示を鑑賞することができます。

例えばこれは、「大森貝塚で暮らした縄文人の指紋を探してみよう」という体験コーナーです。

品川各エリアの昔の写真も、多数展示されていました。

目黒川から五反田駅をのぞむ昭和の頃の写真。現在では、お花見スポットになっているエリア。当時から飲食店が並び、にぎやかだったようです。

この写真は、今はすっかりターミナル駅になっている大井のエリアが海岸だったころの風景です。

大正時代には、潮干狩りのスポットだったのですね。

さらに近くでは海苔の養殖が行われており、冬は海苔の養殖場から流れてくる海苔をすくっていたそうです。

ここは品川歴史館の2階にある講堂です。なんと定員が100名という非常に広々とした教室で、ここで有料の講座や無料セミナーが開催されています。
私は歴史が好きなので、リニューアル前から連続して講座に参加するために、品川歴史館を利用してきました。

今回の訪問目的は、品川歴史館の浮世絵コレクションを、学芸員の方が解説してくれるという無料セミナー。
無料や格安で専門家が地域の歴史を解説してくれるというのは、公共施設ならではだと思いました。

講堂に隣接して、こんなに見晴らしのいい自習スペースもあります。
待っている時間も、有効活用して勉強したくなります。

モース博士にちなんだ特別な部屋も

品川歴史館の2階、一番奥には「モースコーナー」という高級感ただよう一室があります。
モース博士とは、大森貝塚を発見して発掘をおこない、日本の考古学の基礎を作ったアメリカの動物学者です。

品川歴史館では、そのモース博士の功績を紹介し、大森貝塚の貴重な出土品を展示しているのです。

隣の部屋は、ライブラリーになっていました。

品川の郷土史に関する専門書を取り揃えた、一般の図書館とはまた違うラインナップになっています。

今回、学芸員のセミナーで浮世絵について学んだので、ライブラリー内の浮世絵コーナーに行ってみました。

セミナーで紹介されていた「品川沖汐干狩之図」の図版も、本で確認することができました。
描かれたシーンにはカニに挟まれた子どもや、亀もいます。また、外国人も訪れていて、外国人に海産物の箱を見せている町人もいます。

セミナーとライブラリーを連動して活用できたので、とても満足しました。

日本庭園での歴史散歩も楽しめる

建物の外に美しい日本庭園が広がっていて、お散歩にちょうどいいのも品川歴史館の魅力です。

昭和初期の茶室も残されていて、間近で見ることができます。

茶室と隣接して書院も建てられており、予約すれば一般の人でも茶会を開くことができるそうです。

歴史的建造物は、ほかにもあります。例えば、これは明治政府が測量につかったという水準点の蓋石です。

幕末にペリーが来航した際に、防衛のため築かれた台場の石垣石も展示されていました。

品川は、宿場町としても有名です。江戸時代、宿場の街道にあったという石垣の一部も展示されていました。

一通り見学が終わったら、ミュージアムショップです。
企画展の図録から、お土産にちょうどいい1枚50円の絵はがきまでラインナップされていました。

最新機器を使ったテーマパークのような展示施設

品川区立の品川歴史館は、京浜急行線立会川駅から徒歩約13分、JR大井町駅から徒歩約15分のところにある歴史博物館です。
大森貝塚から近く、出土品の展示や郷土史の展示が充実していることが特徴です。
無料や格安の講座も盛んで、地域の学習施設としても親しまれています。
2024年4月にリニューアルされ、最新機器を使ったテーマパークのような展示も楽しめるので、ぜひ一度ご家族連れで訪問してみてはいかがでしょうか。

品川歴史館
住所:東京都品川区大井6丁目11-1
アクセス:京浜急行線「立会川」より徒歩約13分
JR京浜東北線、東急大井町線、りんかい線「大井町」より徒歩約15分
JR京浜東北線「大森」より池上通り沿い11番乗場東急バス大井町駅行または品川駅行(井03/井09/品94)にて「鹿島神社前」下車、徒歩約1分

JR横須賀線「西大井」よりしなバス大森駅北口行にて「品川歴史館北」下車、徒歩約1分
電話:03-3777-4060
営業時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は開館し、次の平日に休館) 、年末年始
※その他臨時休館する場合があります。
駐車場:駐車スペース(3台分)が歴史館玄関前にあります。

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。