【五反田】都会の喧騒を忘れてほっとひと息。上皇后美智子さまゆかりの「ねむの木の庭」

今回ご紹介するのは、五反田にある「ねむの木の庭」です。

ねむの木の庭は、上皇后美智子さまのご実家「正田邸」の跡地に2004年に整備された品川区立の公園です。

公園名は、美智子さまが高校生時代に作詞された「ねむの木の子守歌」に由来します。公園内には美智子さまゆかりの草花のほか、詠まれた歌を鑑賞できる札が配され、多くの人たちが訪れています。

五反田駅から徒歩約7分、閑静な住宅街に佇む公園

JR山手線・都営浅草線・東急池上線が発着する五反田駅から徒歩約7分の場所に「ねむの木の庭」はあります。

五反田駅を出ると、ゆるやかな上り坂が続く「桜田通り」を高輪方向へ歩きます。

桜田通りを300mほど歩いて左に曲がると、都内でも有数の高級住宅街として知られる池田山エリアに入ります。

池田山の閑静な住宅街の中に、ねむの木の庭があります。

上皇后美智子さまの思い出が息づく場所

正門前に着くと、真っ先に目に飛び込んでくるのが園内の象徴「ネムノキ」(学名)です!

ネムノキの前には、公園に関する説明板が設置されています。

説明板に記されているのは、昭和34年(1959年)4月10日、民間初の皇太子妃として美智子さまがこの地から皇室に嫁がれたこと。
のちに品川区がこの土地を譲り受け、美智子さまがご誕生からご成婚までを過ごされた場所にふさわしい公園に整備したことが記されています。

公園の入口は、正田邸の門を再現したものと、アーチ状のものの2か所があります。

「ネムノキ」と「プリンセスミチコ」

ネムノキの横にあるのは正田邸の暖炉の煙突をモチーフにしたガス灯(写真左側)です。

ガス灯は夜になると、あたたかい灯りを放ちます。

ねむの木の庭の、もうひとつの象徴が「プリンセスミチコ」です。

バラの一品種であるプリンセスミチコは、昭和41年(1966年)。当時、皇太子妃だった美智子さまにイギリスのバラ育種会社「ディクソン社」から献上されたものです。

私が訪れた時は「プリンセスミチコ」の開花時期ではなく、残念ながら見ることができませんでした。

プリンセスミチコは、例年5月上旬頃、8月中旬、10月中旬以降が見ごろだそうです。

ねむの木の庭を彩る草花たち

ねむの木の庭では四季折々の草花を楽しむことができます。

「キバナコスモス」です。オレンジ色や黄色の花びらがとてもきれいでした。

こちらは「サルビア」。緑の中にひと際、赤色が映えています!

紫色の花穂が特徴の「アメジストセージ」です。

オレンジ色が引き立つ「バラの新芽」の葉です。

ほかにも多くの種類の草花を見ることができますが、開花時期は気候の変化によっても異なります。

詳しい開花状況は、池田山公園管理事務所(03-3447-4676)または公式X(@Ikedayamapark)でご確認ください。

草花と歌の調和

園内の草花に寄り添うように美智子さまが詠まれた「歌」が紹介されています。すばらしい歌の数々に時間を忘れて読み進めました。

「剪定(せんてい)のはさみの跡のくきやかに薔薇(さうび)ひともといのち満ち来ぬ」。
(皇后陛下時代の美智子さまの御歌集「瀬音」より)。

「薩摩(さつま)なる喜入(きいれ)の坂を登り来て合歓(ねむ)の花見し夏の日想ふ」。
(皇后陛下時代の美智子さまの御歌集「瀬音」より)

「つばらかに咲きそめし梅仰ぎつつ優しき春の空に真むかふ」。
(皇后陛下時代の美智子さまの語歌集「瀬音」より)。

「ねむの木の庭」の開園時間と注意事項

ねむの木の庭の開園時間です。休園日は年末年始のみ。

こちらは公園内での注意事項です。ねむの木の庭は住宅街の中にあるため、近隣にお住まいの方々への配慮も忘れずに気持ちよく利用したいものですね。

「しながわ百景」にも選ばれている「ねむの木の庭」

ねむの木の庭は、品川区が選定する「しながわ百景」にも選ばれています。
公園には、かつて上皇陛下ご夫妻もお忍びで訪れたことがあるとのこと。四季の草花に癒され、上皇后美智子さまの詩にふれながら静かに過ごす時間は、忙しい日常を忘れさせてくれるでしょう。

今度の休日は、あなたも「ねむの木の庭」で心やすらぐひと時を過ごしてみませんか?

品川区立公園「ねむの木の庭」
住所:東京都品川区東五反田5-19-5
アクセス:JR山手線、東急池上、都営浅草線「五反田駅」から徒歩約7分
TEL:03-3447-4676 池田山公園管理事務所(ねむの木の庭も管轄)
営業時間:09:00-17:00
定休日:12月29日~1月3日
駐車場:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。