タイムスリップして昭和の日本に戻りたい…
子どもに昔のくらしを伝えてみたい…
そんな方におすすめの博物館が、大田区南久が原にあります。
「昭和のくらし博物館」は、民家をそのまま残した博物館で、昭和20年代から30年代の日本の生活文化を再現した展示をおこなっています。
東急池上線・久が原駅から徒歩7分。閑静な住宅街に、本当にタイムスリップしたかのような門構えの家が見えてきました。
昭和26年に建てられた民家
「昭和のくらし博物館」は、平成11年に開館しました。
建物は昭和26年に建てられた住宅で、小泉孝さん一家が暮らしていた家を保存し、登録有形文化財となりました。
戦争で家を失ってしまった小泉さんは、国から融資を受けて家を再建します。
戦後でお金がないので、節約しながらも堅牢に建てようと、建築技師だった小泉さんは自ら図面をひいて設計したのです。
完成した家に、小泉さん夫婦と娘さん4人の6人家族、それに当初は2人の下宿人がくらしていました。
立派なお庭と縁側。今ではドラマやアニメでしかほとんど見られない景色ではないでしょうか。
玄関を入ると廊下と階段に分かれています。
「となりのトトロ」のまっくろくろすけが出てきそうな、昔ながらの木造2階建て住宅です。
廊下の左側にあるのが書斎兼応接室。
1室だけモダンなスタイルの洋室を取り入れています。電灯の傘がかわいいですね!
家具類も小泉さんが設計しました。やわらかい布張りの椅子は、座り心地がとてもよかったです。
この机で図面をひいていたそうです。羽ブラシやインク、定規などの仕事道具がズラリ。
引き出しの中にもたくさん入っていました。
薪で火を起こし、井戸水で洗濯をしていた!
水道が無かったので井戸から水をバケツに汲み、薪で火を起こし、釜戸で米を焚く。
水汲みは子どもたちの仕事でした。
釜戸の後ろには、家階段下を利用した物置が。外から開けられるように整備されています。
空間を最大限に利用する工夫が、家のあちらこちらに見受けられました。
洗濯機も無いので、タライと洗濯板で洗っていました。家族6人分と下宿人2人の服や布おむつを、冬でも手でゴシゴシ…。今では考えられませんね!
小泉さんの奥様、つまり一家のお母さんは、一日のほとんどを家事に費やす生活でした。
学校単位での体験学習も受け付けているそうです。
タライと洗濯板での洗濯体験…我が子にも体験させてみたいなと思いました!
食事の風景と台所
家の中心に位置する茶の間。障子や畳がノスタルジックですね。
ちゃぶだいには当時の食事のサンプルが並べられていました。
麦ごはん、魚の塩焼き、煮物、漬物…レトロ柄がかわいいアルミのお弁当箱も。
昭和30年代ごろの質素な食生活がうかがえます。
こちらが台所。ザル、ふきん、木の落としぶた、洗剤などもそのまま残されています。水道が整備された後も、井戸水も併用して使っていました。
私が小さい頃、田舎のおばあちゃんの家がこんな感じだったなぁ…。
冷蔵庫。上段に氷を入れて、その冷気で下段の食品が冷やされるしくみです。
隣に置いてあるものはなんとネズミ捕り!昔は野ネズミも多かったのでしょう。
昭和はこんな道具を使っていた
ミシンと裁縫道具。手縫いが主流だった当時は高級品だったのではないでしょうか。
ラジオからは実際の放送が流れていて、食事をしながら聞いていたのかなぁ、と思いを巡らせました。
黒電話も大人にとっては懐かしく、子どもにとっては新鮮。「ダイヤルを回す」とは、今は言わなくなりましたね。
スマートフォンに表示される「電話」や「受話器」のアイコンがわからない人も増えたそうですよ。
アニメ映画「この世界の片隅に」の監督が「昭和のくらし博物館」を訪れ、実際に使っていたリアルな道具や家の作りなどを参考にしたそうです。
2階には、アニメ製作で使われた設定スケッチや絵コンテなどが展示されていました!
「昭和のくらし博物館」では、当時の家庭の雰囲気を身近に感じることができました。
大田区内にいながら、昭和時代にタイムスリップしたかのような体験ができる「昭和のくらし博物館」を訪れて、レトロで懐かしい雰囲気を感じてみませんか?
昭和のくらし博物館
住所:東京都大田区南久が原2-26-19
アクセス:東急池上線「久が原駅」徒歩7分
電話/FAX:03-3750-1808
営業時間:金・土・日曜日・祝日 10:00-17:00
定休日:月・火・水・木曜日・9月上旬・年末年始