【大森海岸】時代を越えて愛される「十五屋製菓」のかりん糖

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今回ご紹介するのは、大森海岸駅から徒歩約10分。住宅街に突如としてあらわれるかりん糖の直売所、「十五屋製菓」です。

ゴツゴツとした食感がクセになる、昔ながらのかりん糖を楽しむことができます。

大正時代から続く甘い香り

大田区大森北、静かな住宅街を歩いていると、甘く香ばしい匂いがただよってきます。匂いの元は、大正15年創業のかりん糖屋さん。

ひっそりとした店構え。大黒かりんとうと大きく書かれたのぼりがなければお店に気が付かなかったかもしれません。

のぼりには、製造販売と書かれています。どうやら、工場に併設された直売所のようです。

知る人ぞ知る!といった雰囲気に、お店に入る前からワクワクがとまりません。

職人さんの手から直接購入

お店は、工場のすぐ横にあります。販売スペースは決して広くありませんが、妙に落ち着きます。季節を感じるささやかな装飾にも、ほっこりさせられます。

ガラス扉の向こうでは職人さんが忙しそうに作業をしてます。私が訪れた時には、乾かすためなのか、ズラリとかりん糖が並んでいました。

お店の名物は、大黒かりんとう。その他には、福大黒かりんとう、芋せんべい、豆菓子が並びます。

9月末になり、気温が下がってくると雪夜白かりんと糖がラインナップに加わり、全種類が揃うとのこと。毎年寒くなるのが待ち遠しくなりますね。

「午前中に来ないと、人気のものは売り切れちゃいますよ」とにこやかにご主人が教えてくださいました。

職人さんとのおしゃべりも、この場所を訪れる楽しみの一つになりそうです。温かい気持ちになり、名物の大黒かりん糖、福大黒かりんとう、芋せんべいを購入しました。

かりんとうは1個350円ですが、3つ買うと1,000円になる割引があります。

香ばしさとゴツゴツ感を楽しむ

家に帰って、さっそく大黒かりん糖をいただきます。かりん糖に合わせ、濃いめの緑茶も準備しました。

見た目は、かなりゴツゴツしています。最近よく見る、細長いかりん糖とは一線を画す、立派なかりん糖です。

まず、ザクッとした食感。すぐに香ばしさを感じます。続いて、黒糖の甘さ。なつかしい味に自然と温かい気持ちになります。

黒糖の甘さはしっかりと感じますが、しつこくはなく、老若男女問わず愛される味です。濃い緑茶との相性は抜群です。

続いては、福大黒かりんとうです。大黒かりんとうのゴツゴツ感はそのまま、一口サイズ
となっています。

気軽につまめるサイズ。パクパク食べていたら、あっという間になくなってしまいました。

芋せんべいは、素材を活かしたシンプルな作り。パリパリとした食感とさつまいも本来の優しい甘さを楽しめます。

それにしても、1個のサイズが大きい!サツマイモを縦にスライスしているのは珍しいですね。

どの商品もどこか懐かしく、おいしい。一つひとつ丁寧に作られていることを感じます。

大正時代に思いを馳せる

十五屋製菓が創業したのは、大正15年。当時の大森は、関東大震災の復興真っ只中にあり、まさに近代都市へ発展しようという時期でした。

山側は多くの文化人が集い、海側は料理屋と旅館、海苔の問屋が立ち並ぶ。多くの人が働き、さぞ活気にあふれる街だったことでしょう。

そんな時代に生まれたこのかりん糖は、忙しい日々のご褒美として、多くの働く人に愛されたのではないでしょうか。

当時のモダンなホテルや旅館の、お着き菓子としても使われたのかな?と想像が膨らみます。

ゴツゴツとした立派なかりん糖は、当時の大森の力強さや勢いを感じさせます。

活気がある街、大森のかりん糖

大正時代に生まれ、今なお多くの人に愛されるかり糖。それは、力強さとなつかしさがぎっしりと詰まった逸品です。

十五屋製菓のかりんとうは、力仕事でのエネルギー補給はもちろん、デスクワークの糖分補給にぴったりです。

かりん糖は、今も昔も働く人のご褒美なんですね。

ぜひ一度、味わってみてください。

十五屋製菓
住所:東京都大田区大森北3丁目4-16
アクセス:京浜急行本線「大森海岸駅」から徒歩約10分
京浜東北線「大森駅」から徒歩約12分
TEL:03-3761-5153
営業時間:月-金曜日9:00-18:40
土曜日9:30-18:40
定休日:日曜日・祝日・その他不定休

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。