北品川の東海道品川宿エリアは、東海道をめぐるウォーキングツアーで日本橋や川崎から訪れる人でにぎわっています。新幹線で品川駅を降りた人の散策にもピッタリ。
今回ご紹介したいのは、旧東海道沿いにあり、品川駅からも歩いて行ける「そば処いってつ」です。
地元の人はもちろん、観光で上京する人にも、ぜひおすすめしたい名店です!
北品川駅から徒歩約5分。昔ながらの宿場町の中に
そば処いってつは、京急本線の北品川駅から徒歩約5分の品川宿エリアにあります。
品川宿は東海道五十三次の最初の宿場。現在の北品川本通り商店会は旧東海道に面して約800メートルにわたっています。
商店会加盟店は、商店や営業所等が約90軒あるそうです。
昔から、旅籠や、料理屋、貸し座敷などで栄えた街なので、今でも和食のお店や呉服店などが立ち並んでいます。
周りには品川宿の観光名所がたくさん
東海道品川宿は、現在の北品川駅から青物横丁駅付近にあった宿場町です。
東海道五十三次最初の品川宿の由緒ある寺社をめぐる「東海七福神」が、人気の観光ルートです。
そば処いってつから徒歩約3分のところに、利田(かがた)神社という観光名所があります。
ここには、江戸時代の寛政10年に品川沖に迷い込んだ鯨の供養碑があります。
東京では唯一の鯨碑として有名で、ウォーキングツアーの観光客が多く訪れています。
惣菜店から生まれ変わった「そば」の、のれんが目印
そば処いってつの前身は、「ミニスーパーするがや」という惣菜を中心とするスーパーでした。
60年続いた惣菜店を改装し、2013年にオープンしたのがそば処いってつです。
改装オープン以来、エントランスにかかった「そば」という大きなのれんが目印。存在感は抜群です。
夜になると、おつまみメニューの看板が出て、そば処に居酒屋の顔が加わります。
かつては惣菜が人気のスーパ ーだったので、当時の人気メニューが居酒屋で味わえると人気です。
広い店内に50席以上、団体客も受け入れOK
そば処いってつの店内を見てみましょう。
店内には54席あり、奥には座敷の席もあります。
団体客が多く、地元の飲み会や歓送迎会の定番の場所になっています。
店内を観察すると、来店客は、観光で来たグループ客から家族連れ、常連さんまでさまざまでした。
グループ客でにぎわう店内ではありますが、アクリル板で区切られた一人用の席も用意されています。
夕食にも、ちょっと一杯にも、一人で立ち寄りたくなりますね!
メニューブックを開くと、創作料理の紹介と品川宿の解説が並んでいます。読み物としてもおもしろいメニューブックです。
web上には写真入りの英語版メニューも用意されているので、外国人観光客でも注文しやすくなっていますよ。
観光地にあるお店なので、店内には観光パンフレットコーナーもあります。
品川宿についてもっと知りたい人は、この資料を利用するとよいでしょう。
冷たいそばも、温かいそばも、盛り付けが楽しい創作料理
そば処いってつのそばは、そば粉8割・つなぎ粉2割の「二八そば」と呼ばれる江戸流のそばです。
ツルツル、シコシコした食感が持ち味。
そんな、そば処いってつのおすすめメニューを紹介します。
冷たいそばの一押しは、「品川宿そば」。
品川は昔、海苔の養殖が盛んでした。それにちなんだ、たっぷりの海苔と、江戸前を象徴するアサリ、食感のよい天かすが乗ったメニューです。
長ネギの入ったつゆは、辛口。まずはそのままいただきます!
途中で生卵を入れて、まろやかにして味を変えてみました。
夏の暑いときでも、のどごしが良く、食べやすい一品でした。
温かいそばの一押しは、「かむろそば」。
かむろとは、江戸時代、遊郭に住んでいた童女のこと。品川宿で毎年行われる「花魁道中(おいらんどうちゅう)」のイベントでも、美しく着飾った太夫の付き人役として、少女たちがかむろを演じています。
かむろの姿を料理で表現したのが、そば処いってつ名物のかむろそばです。
水菜と人参のかき揚げが、かむろのかんざしに見立てて盛り付けられています。
スープは白醤油仕立て。アサリの旨味もきいています。
ネギやゴボウ揚げも乗って、野菜たっぷりの一品。具だくさんで、昼食にも夕食にもおすすめのメニューです。
そばを楽しんだ後は、お待ちかねのそば湯が届きます。
お店自慢の「揚げそば」もサービス。おやつやおつまみにピッタリの味です。
揚げそばが気に入ったら、お土産に買って帰ることもできます。
観光客と地元の人で大にぎわいのそば処
そば処いってつは、海苔やあさりといった伝統的な食材を使いながら、盛り付けに品川宿らしさを出したオリジナルメニューが揃っています。
以前、惣菜店だった頃からよく知られているお店で、居酒屋メニューの充実ぶりにも注目です。ぜひランチタイムだけではなく、ディナータイムにも訪れてみてください。
そば処いってつ
住所:東京都品川区北品川1-30-23
アクセス:京急本線「青物横丁」より徒歩約5分
京急本線「新馬場」より徒歩約6分
電話:03-3471-3842
営業時間:平日 11:30~14:00 17:30~22:00
日曜・祝日 11:30~14:00
定休日:火曜日、祝日の月曜日
駐車場:なし