数ある全国の駅弁の中でも、常に高い人気を誇る「峠の釜めし」。旅行中に食べた思い出のある人も多いのではないでしょうか。
群馬県のJR信越本線横川駅の人気駅弁である峠の釜めしを販売する「荻野屋」。なんと五反田で新業態のお店を2025年1月17日にオープンしました。
その名も「荻野屋 回 -kai-」。新業態ということで、どんなメニューがそろっているのでしょう。とても、楽しみです!
駅から近くアクセスも抜群

「荻野屋 回 -kai-」は、山手通りに面した五反田JPビルディング1階のフードホール「五反田食堂」のテナントとしてオープンしました。
東急池上線大崎広小路駅から徒歩約1分。JR山手線と都営浅草線五反田駅からも徒歩約5分とアクセスの良さも抜群です!

近代的で洗練された入口です。さっそく、中に入ってみましょう。

五反田食堂に入ると、まもなく「荻野屋 回 -kai-」が見えてきます。

注文は食券制。店頭にある券売機で購入します。使えるのは現金とクレジットカードのみです。ICカードやQRコード決済には対応していませんのでご注意ください。

近未来的な空間のフードホール内。
メインはうどん
「荻野屋の起源は、江戸時代から続く料理旅館にあり、日本料理の原点でもある出汁(だし)にこだわり続けています。
新業態『荻野屋 回 -kai-』では、原点回帰の意味も込め出汁にこだわり、新たに開発した「かえし」を活かした一品料理を提供します」。
(引用元:荻野屋 東京ホームページ)
出汁へのこだわりを大切にしている荻野屋ですが、五反田にオープンしたお店では、うどんがメイン。
うどんには地元である群馬県の小麦を使用しており、ここにも荻野屋のこだわりを感じます。

店頭に掲げられたメニューです。荻野屋自慢の出汁を活かした、うどんやご飯類のほか、夜の部では群馬県産の食材を使った一品料理とアルコール類も提供。

こちらは群馬県産の舞茸天がたっぷり入った「大舞茸天うどん」です。舞茸天は、うどんの上だけでなく、釜を見立てたデザインの別皿にも入っているので食べごたえも十分!

うどんの上に盛り付けられた揚げたての舞茸天!

そばつゆも釜に入っています。荻野屋の「釜」に対する並々ならぬ想いが伝わりますね!

こちらは、上州牛の「牛すじカレーうどん」。温泉卵をトッピングしました。

やわらかく煮込まれた上州牛の牛すじは、うどんとの相性も抜群です!

トッピングの温泉卵。とても小さな釜に入って提供されました(笑)。
荻野屋の主役「峠の釜めし」
JR信越本線横川駅で今も販売され続ける人気駅弁「峠の釜めし」は、荻野屋を語る上で欠かせません。
うどんがメインとはいえ、荻野屋の主役が峠の釜めしであることに変わりはありません。
しっかり、メニューにも用意されています。釜めしファンのみなさま、ご安心ください!

群馬県産の食材がたっぷり入った「峠の釜めし」。昔も今も変わらぬ味わいです。

峠の釜めしと一緒に付く「香の物」。入っているのは茄子、きゅうり、梅干し、わさび漬け、山ごぼうの5種類。

食べた後の容器の持ち帰りは自由です。その際には店員さんに一声おかけくださいね!
よくばりな人にはセットがオススメ!
釜めしもうどんも両方食べたいよくばりな人には、釜めしと釜上げうどんがセットになった「峠の釜めしセット」がオススメ!
釜めしと、うどんは五反田限定のミニサイズで提供されるため、食べすぎが気になる人にも安心してお楽しみいただけます。

「峠の釜めしセット」。目の前にならぶ3つの釜は眺めているだけでも楽しめますよ。

「峠の釜めし」は、ミニサイズながらも完成度が高く、満足すること間違いなし。

同じくミニサイズの「釜上げうどん」は、つるっとしたのど越し。こちらも釜めし用の釜で提供されます!

添えられた薬味は、揚げごぼう、紅しょうが、大根おろし、ネギと多彩です。
碓氷峠と共に歩んだ「峠の釜めし」
荻野屋は、群馬県安中市の横川にあります。江戸時代には、江戸と京都を結ぶ中山道(なかせんどう)のルート上にあり、碓井関所も控える交通の要地でした。
長野県との県境に位置する横川ですが、となりの長野県軽井沢との間に立ちはだかるのが、碓氷峠(うすいとうげ)です。
碓氷峠の標高は956m。鉄道においては横川~軽井沢間の標高差は553mで勾配率が66.7‰(パーミル)。
これは1000mの間に66.7mもの高低差があり、いかに碓氷峠が交通の難所であるかが分かります。
そのため、碓氷峠を超えるために横川駅で軽井沢方面に向かう列車には、後ろから列車を押し上げるため、特殊な専用機関車を連結。逆に軽井沢方面からの列車では、急な下り坂での速度を抑えるため、列車の先頭に滑り止めの役割を果たす機関車を連結してゆっくりと碓氷峠を下りました。

それぞれの機関車の連結や切り離し作業を行っていたのが横川駅。
作業のため、停車時間も長く、その間に乗客たちは横川駅のホームで峠の釜めしを購入するのが旅の楽しみでもありました。
こうして峠の釜めしは、日々、信越本線を利用する乗客たちの「旅のお供」として長い間、親しまれ続けたのです。
新幹線の開業が転機に

1997年、東京から長野まで新幹線が開業(現、北陸新幹線)したことに伴い、多額の維持費がかかっていた信越本線の横川~軽井沢間は廃止。
横川駅で停車中の長距離列車から、多くの乗客たちがホームに降りて峠の釜めしを買い求める姿も見られなくなりました。
碓氷峠区間の鉄道がなくなった後も、老舗としての誇りを持ち続け、新たな挑戦を続ける荻野屋。
五反田にオープンした「荻野屋 回 -kai-」も、新業態店として荻野屋の新たな魅力を伝えようとする姿勢を感じました。
何よりも、若い従業員のみなさんが、とても明るく元気な笑顔で接してくれるので気持ちよく食事を楽しむことができますよ。
あなたもおいしいうどんと峠の釜めしを「荻野屋 回 -kai-」で味わいませんか?
荻野屋 回 -kai-
住所:東京都品川区西五反田8-4-13 JPビル1階五反田食堂内
アクセス:JR山手線「五反田駅」より徒歩約5分
都営浅草線「五反田駅」より徒歩約5分
東急池上線「大崎広小路駅」より徒歩約1分
電話番号:03-5747-9258
営業時間:火~土11:00-20:00
日・月・祝日11:00-18:00
定休日:無休
駐車場:なし
支払い:現金、クレジットカードのみ